2009年12月30日水曜日

30日「追悼」


迫力のオニカマス



周りのお魚と大きさを比べてみれば・・・

2年ほどまえのナポレオンのモモちゃんのように、
愛嬌のあるなじみが今年も一つ命を落とした。
コーラルガーデンにときどき姿をあらわした老いぼれオニカマスである。
体長1mを超える迫力が、
かわいらしいお魚ばかりのコーラルガーデンの一つの見ものであった。
餌を期待して、ダイバーの周りを行きつ戻りつうろうろし、
餌の骨がおおきいと、飲み込めず吐き出してしまった情けなさなど、
なんとも愛嬌があったものだ。

ある日小舟でスノーケルに遊びに来ていたタヒチ人家族が、
「自分の子どもに危害をくわえるから」
と打ち殺してしまった。

一度も人を襲ったことはない。
ダイビングだけでなく、アクアサファリでも人気者だった。
いつも人と一緒にいたお魚は、同じ人間に簡単に殺されてしまう。

一年の最後に、
一瞬の間だったけれども、私たちを楽しませてくれた感謝をこめて、
追悼します。
どうもありがとう。

2009年12月29日火曜日

29日「バカな子ほど・・・チョウチョウウオ篇とその感触」


コーラルガーデンはアクアリウムのよう。
きたきた。スダレにセグロにタヒチアンにスズメダイに・・・

餌付けの是非を語れば、それはしないに越したことはないが、
私がやめても、日々訪れるスノーケリングツアーが
大量のパンをばら撒いていく。
トプアのコーラルガーデンはスノーケルのポイントでもあり、
お魚たちは毎日私も食べたくなるような新鮮なパンを食している。
よくわかっているもので、ボートが来れば、その下に集まってくるし、
ダイバーが潜行を始めれば、そばに寄ってくる。
パンのありかがBCDのポケットということも分かっているので、
そのあたりにわらわらとやってくる。
パンのかわりに白砂を手に握って差し出すと、
とにかく様子を見に来て、中には 砂をついばむバカもいる。
砂がなくても手をパンを握っている形にするだけでも、
ついばみにくる。
そんなつもりはなく、他のものを見ている間も、
岩や底に支えに添えた手をつつきにくる。
今日はお客様の腕の毛をついばむバカ者もいた。

こういうときについ触れてしまって、
はじめて知るお魚のからだのやわらかさというのがある。
チョウチョウウオは伸びた口で、「ツンッツンッ!」と するので、
たまに傷口に触れるととても痛いのであるが、
サザナミハギの歯は細かいぎざぎざでくすぐったく、
そのあごはとても柔らかくて気持ちがいいのである。


2009年12月28日月曜日

28日「クロユリハゼが戻ってきた」

ずいぶん前トプアのある決まった場所でだけ2~3匹、たまに見られていたクロユリハゼは
その後姿を消してずいぶんたった。
最近再び姿を現したと思ったら、10匹ぐらいに増えていて、
しかもそれほどダイバーを怖がらないので、
結構近づいて写真が撮れるのだ。
マダラトビエイを求めて、白目を充血させている合間の、
ほっこりした時間である。

2009年12月27日日曜日

27日「コンゴウフグの遊び?」


コンゴウフグのカップルはいつも一緒。
1匹だけでも愛嬌があるので大好きなお魚だ。
今日ははじめて2匹がじゃれあっている(?)のを目撃した。
1匹がもう1匹の横腹に噛み付いているように見えた。
そのまましばらく吸い付いたようにくっついている。
吸い付かれたほうは体を縦ににしてふわ~っとしている。
しばらくして離れると、今度は交代して吸い付かれていたほうが、吸い付く。
吸い付かれるほうは体の横腹のほうを相手に向けて、待っている。
吸い付かれた瞬間、ちょっとびくっとするが、
そのままされるがままになっている。
何回も交代しつつ、
よほど気持ちがいいのか、
楽しいのか、
没頭しすぎてほとんど水面近くまで上がっていってしまった。
それに気がついてあわてて水底まで降りてきて、
それで終わってしまったが、
この行動は一体なんであったろう・・・。
写真は別の日にとったもので、今日の行動のものではない。
しかし、これほど同じ2匹がいつも一緒にいる魚もいない。
生態を知りたいと思って、ウェブで検索してみたら、
飼育情報ばかりだった・・・。

2009年12月26日土曜日

25日「メリークリスマス」




はい、メリークリスマス!

帽子のボンボリがやたらお魚の興味を引いてしまいました。
はい、メリークリスマス!

2009年12月24日木曜日

24日「クリスマスイブの風景」

あつい。
ちょっと動けば汗をかき、食事をすれば汗が滝のように流れ、
外に出ようものなら、じりじりと焼かれる。
そんなクリスマスイブのボラである。
ここのサンタクロースは体型は正しいが、
サングラスをかけ、上半身裸で短パンをはき、はだしである。
白いひげはなく、やけに肌がくろい。

祭りの時期は泥棒が増えるので、注意しなければならない。
私は新しいほうの自転車を家の前から盗まれた。
今日銀行に行ったら、隣に座っていた見知らぬおばちゃんが
「今はお金は銀行においといたほうがいいよ。
家においてたら、盗られるからね」
と親切にアドバイスしてくれた。

敬虔なキリスト教徒が多いポリネシアのことだから、
今夜はどこもお祝いで、特別な食事を楽しむのだろう。
たまたま休みだったので、うっかりスーパーに入ってえらい目にあった。
普段は見られない買い物客の人だかりである。
道は渋滞し、レジには長蛇の列、陳列通路は満員である。
というか、大きなタヒチ人が通路に一人立つと、もう通り抜けできない。
普段は見ない巨大なミスターおばさんたちも大挙して押し寄せ、
涼しいはずの店の中が妙に暑苦しい。
タヒチ人はもれなく巨大である。
腰まわりの2次元的横幅は日本人平均の2~3倍はあり、
体積にすればゆうに5~6倍になる。
狭いスーパーのなかでこのような巨大な肉ダンゴに押しつぶされるのではないかと、
命の危険さえ感じる。
メリークリスマス。
12月24日はスーパーに行ってはいけない。

2009年12月21日月曜日

21日「オカルト~むらがる」

おそろしいことにシリアルキラーはまだよく出没する。
憎き敵、オニヒトデはますます活発になり、
そこらじゅうのサンゴを食い尽くす。
シリアルキラーはお客様を差し置いて、
いきなりナイフを突き出し、狂ったように殺戮を始める。
まずオニヒトデの体の中心にざくっと刃をいれ、ぐりぐりぐり!とこねくり回す。
それからケーキを八等分するかのように対角線を引くようにざくざくざくっときりつける。
オレンジ色の内臓が飛び出てくる。
それを待ってました!とばかり群がる輩がいる。
ミゾレフグはヒトデが大好きである。
スダレチョウチョウウオも待ちきれずに出た内臓をすぐにつつこうとするから、
ナイフがチョウチョウウオを切りそうになって危い。
フグは普段は小心者で、ダイバーが近づくと逃げていくが、
このときばかりは私の手が自身の体に触るのもお構いなしで、
くらいついている。
フグの体はぽわんとしていて、気持ちがいい。
大きなゴマモンガラも輩の一員である。
こいつは出っ歯の口を突き出して、 ヒトデをくわえてしまうと、
さーっと自分のお家に持ち帰る。
そして落ち着いてゆっくりと食するのだそうだ。

2009年12月17日木曜日

17日「バカな子ほど・・・4」

(強気のオレンジフィンアネモネフィッシュ)
ムリムリのバカガメは今日も元気であり、
期待を裏切らないバカぶりを披露してくれた。

ダイバーを感知し
うれしそうにやってきたバカガメは、
餌をやらない私のグループにあきらめずに必死についてきていたが、
うっかりアネモネフィッシュの縄張りに張り込み、
自分の目ほどの大きさのアネモネフィッシュに
ものすごい攻撃を受けた。
何が起こったかよく分からないようで、、
しかもまたバカなことに 、
ダイバーがそこにいるものだから、
すぐに戻ってきて、
またものすごくつつかれてていた。
ありえへん。

来たらあかん、って言うたやろ。

2009年12月16日水曜日

16日「お口についてるわよん!」


ホラ貝はそうしょっちゅう目にすることがないので、
見つけるとお客様に見せるために、一度取り上げる。
今日取り上げたホラ貝はもう食事中ではないと思ったのだが、
横着にも口をもごもごしたまま、動いていらっしゃたらしい。
思わず閉じた口から食べ物をはみ出させていらっしゃった。
なんだかわかるだろうか。
ホラ貝さまはオニヒトデをお食べになっていたのである。

ホラ貝はオニヒトデの唯一の天敵である。
しかし、ホラ貝は、ダイビングをしない人でも知っているとおり、
連絡道具としていろいろなところで使われてきたから、
かなり獲られてしまっている。
そんなこともオニヒトデの大発生の原因の一つではないかと思われる。

今は一番暑い季節で、水温も浅いところだと30度にもなり、
ぬる~くて、とてもいい気持ちで潜れるのだが、
それはオニヒトデとて同じらしく、再び活発に活動を始めている。
もうどこも暖かいから、広い範囲に分散してしまって、見つけるのも大変である。
先日聞いた衝撃的なニュースは外洋からラグーンにも入り込んできた、ということである。
ホラ貝がもっと増えて、もっと多くのオニヒトデを食べて欲しいと思うが、
まず間に合うまい。
オニヒトデ退治隊を増強しなくては・・・

2009年12月14日月曜日

14日「ボラボラの家」

来年いよいよ環境教育プログラムが始動する予定だ。
その下見にメリディアンホテルまで自転車で行ってきた。
少しでもエコである。
メリディアンホテルはカメセンターを抱えているとおり、環境保護活動に積極的で、
またカメセンターの責任者はとても環境保護に熱い男である。
来年は私からさらに油を注ぎたいと思っている。

とにかく、今日話したいのはボラボラの家のことである。
メリディアンに行く道々、いつもとは違う風景、家々を眺めながら行った。
ボラの家でまず驚くのは、お墓が玄関先にあることである。
カトリックが多いポリネシアでは基本的に土葬である。
しかも家の庭に土葬。
墓の上が植木置きになっていたりする。
その家を人に貸すこともあるから、
借りるときには注意しなければならない。
以前友達の家に行ったらいきなりお墓があったから、びっくりしたことがある。

ときどき素敵な三角屋根のお家もある。
2階に素敵なテラスがしつらえてあって、一階からの蔦が絡み、
素敵な丸いテーブルと椅子が感じよくおいてあって、
「あーこのベランダでアフタヌーンティーなんてしてみたいなあ」
と思いながら通り過ぎようとすると、
そのベランダにはベッドも置いてあり、
「おおお、ここで寝るのかい!
あああああ雨の日は吹きこむよ~!」
と心の中で突っ込んでしまった。
昼寝用のソファベッドではない。
きっちり寝るためのベッドなのである。

家を建てるときは親戚友人を総動員して建てる。
色もさまざまである。
最近、山の麓を削った小高い丘の上になんと
紫色(まあ藤色っぽい)の家ができた。
ボートからみえるので、タヒチアンのスタッフに
「ちょっとー、すごいねー、紫の家やでー(変~)」
と言ったら、
「僕の家も紫~!」
「む、紫っていいよねーっ!」
と、どきどきしてしまったことがある。

建て増ししようとして、途中でやめたような家とか、
どうやって帰るのか分からない家とか、
そうかと思うといきなり
「福」!!
と書いた家もある。
島一周あるいは半周でもすることがあったらぜひ探していただきたい。

2009年12月12日土曜日

12日「星空」

一昨日の晩、友人の誕生日ディナーということで、はじめて某ホテルのビュッフェに行った。
このホテルはモトゥ(小島)にあるので、船で渡らなければならない。
ここ最近大変いい天気が続いてるが、その日もぴかぴかの一日であった。
めったにいただかない豪華な食事を楽しんで、
再びボートで本土に戻るためボートに乗り込んだのが9時半ごろだ。
夜空は晴れ渡り、満天の星が空一杯に広がっていた。
ここに住んでいるからといって毎日夜空を観察しているわけではないから、
私たちは感動して、帰りのボートからずっと顔を上げて星空を眺めていたものだ。
星明りがかすかにオテマヌ山のシルエットを映し出している。

満天の星空というのは、少しでも明かりがあると見えなくなる。
都会から見えないというのは、空気が汚れているだけじゃなく、明るすぎるからだ。
このときでも、本土の方角は、街灯の明かりが邪魔をして少し見えづらかったし、
月が出ていたら、もう金星ぐらい明るい星しか見えない。
半月でも十分に明るすぎる。

南十字星狙い、そうでなくても満天の星をボラボラから見てみたい、
とご希望される方は、必ず月齢表をあわせてみるべきなのである。

2009年12月10日木曜日

9日「きれい好き」


エステ中のうつぼちゃんがいた。
なんとホンソメワケベラとオトヒメエビのおふたかたにしてもらうという贅沢ぶりだ。

細かい生き物が一杯の海に住むお魚たちには
どうしても寄生虫がついてしまう。
それを取って食べてくれる掃除屋がちゃんといるのだ。
凶暴なイメージのあるウツボとかサメの口やえらの中まで
一生懸命きれいにしているのをよく見かける。
そのままパクリといってしまいそうなのだが、決してそれはない。
ブダイなど普通のお魚がお掃除してもらっているとき、
彼らはなぜか体を立て向けに、
気持ちよさそうに口をぽかんとしてじーっとしている。
とてもおかしくて、うっかり近づき、びっくりさせて
お掃除を中断させてしまうことたびたびである。

2009年12月7日月曜日

7日「タヒチアンバタフライフィッシュ」


11月末に 降り続いた雨で、雨季に突入したようだったが、
ここ一週間とてもいい天気が続いている。
日差しの強さは半端ではない。
焼けなれた私も油断して全身真っ赤っかになってしまった。
いわんや冬の日本から来る人は、大変に気をつけたほうがいい。

海も穏やかである。
体験ダイビングには絶好のコンディションである。
体験でよく使う場所のひとつにコーラルガーデンがある。
ファンダイブだとトプアの一部なのだが、ここには
タヒチアンバタフライフィッシュというかあいいお魚がいる。
お名前から判断して、タヒチ周辺固有種と思われるが、
チョウチョウウオとしては地味な子だが、よく見るとつぶらな瞳と小さなお口、
ぴこぴこ動く黄色い小さなしっぽがとてもかわいい。
私のお気に入りのお魚の一つである。


2009年12月6日日曜日

6日「サンゴの住人1-ダンゴオコゼ」

ヘラジカハナヤサイサンゴにはいろいろな住人がいて、一緒に暮らしている。
お互いうまくやっているのかどうかは知らないが、
その一人がダンゴオコゼである。
普段はサンゴの上からの角度で見ると、
サンゴの間にはさまってじっとしている小さな丸っこいお魚で
なんとなくかわいいなあ、と思っていた。
今回じっくり写真を撮る時間ができたので、
サンゴの中の生き物たちを見ていて、この子が撮れた。
はじめて正面の顔を見た。
予想外のオヤジ顔で、
ちょっとひいた・・・。

2009年12月5日土曜日

5日「ある昼下がりのドラマ~フエダイがコンゴウフグにキス!?」

デート中。
「うふふ。」「はははは。」
乱入者たち。
「ようよう、ねえちゃん、そんな四角張ったやつなんかじゃなくて、
俺たちと遊ぼうぜ~」

「なんだ、君たちは。
邪魔しないでくれよ。」


チュッ!!


「え・・・?」

「うわ~ん!」

「ひどいじゃないか、ひどいじゃないか!」
「ごめんなさい、ごめんなさい。」

でもやっぱりいつも一緒。

終わり
(チュ!の瞬間がピンボケなのがくやしい。
でも本当にチュ!したんだよ~!)

2009年12月4日金曜日

4日「カメラマンになりたい・・・」

トプアのマダラトビエイの谷でしばらくぶりの顔に会った。
ウツボちゃんである。
ドクウツボで、サイズは中ぐらい。
この子はなにが他の子と違うかというと、
カメラにとても興味を示すのである。
なんとなくカメラやビデオを前に差し出すと、
レンズにくっつくぐらい顔を寄せつつ、
「なにかな、なにかな?」
というふうにしばらくチェックするのである。