2009年5月24日日曜日

マンタが出た!

 おひさしぶりのマンタちゃん!
 数日前に目撃情報はあったけど、はっきり言って全然期待しなかった。
 場所はアナウ。
 ボスはあまりアナウに行きたがらないのに、何で今日はアナウかなあ、と思ったけど、私のダイバーも初心者さんだから、ちょうど簡単でいいやってな感じ。
ブリーフィングでも出たらラッキーと思ってください、ぐらいのもの。
そしたら、まあ潜りだして5分で前方に一枚!
きゃきゃきゃあ、と言いながら、みんなを呼んで、追跡開始。脅かさないようにゆっくり後を追う。
Uターンしてお顔が見てる!大きい子だ。
チャネルを渡って反対側のリーフに向かうと、そのリーフの上のほうにもう一枚!
おおお、2枚いるぞお!って伝えたとたん、もう一枚前方からこっちに!
ぎゃあああ、3枚だよおお!
その大きな一枚が私の真上を通っていくさ!
その一枚にション店を合わせて追跡。
シャネルの細くなるところに入ると、くるりと旋回してくるとまた他の一枚!
2枚が旋回をして、また分かれて、大きいのは向こうのほうへ、小さいには私たちが来たほうへ去っていった。
この間約15分だったろうか。
興奮を少し冷ましながらリーフの上をゆったり泳いでいると、さっき去った大きな一枚がまた戻ってきた。
でも狭いところにダイバーがいるもんだから、すぐにUターンして、また去っていった。
また戻ってくるかと思ってしばらく待っていたけど、もう来なかったね・・・

驚いたのは私たちより5分ほど先に潜ったグループはマンタに会わなかったとのこと。
本当に海の生き物との遭遇というのは幸運なこと。
私のグループは幸運の持ち主が揃っていたのだろうなあ。
いやいやいいもん見せてもらいました。
ありがとう。

2009年5月18日月曜日

ナイトダイブ

昨日はナイトダイブがあった。
昨日は一日雨が降り続き、この上なくうっとおしい天気で、少し嵐っぽい空気もあり、
こんな日は家やホテルでゆっくりするに限るだろうと思うのだが、
コアダイバーは少々の嵐でも潜りにいらっしゃるのだ。
お客様はたったの二人。ダイビング大好きの気のいいオランダ人カップルだ。
あとホテルのスタッフが3人。
行き先はトプア。
ダイビングはじめは風が吹きすさび、嵐模様だったが、50分後浮上してみると、果たして空は晴れわたっていた。
このごろは日が短いので、6時にはすっかり暗くなっている。
ダイビング前半でもすでに夜の生き物たちが動き始めているという点、よろしい。
いきなり大きなヤドカリが歩いている。
ネッタイミノカサゴがやたら外にでている。
見たこともない大きな幅30cmぐらいのカニ、
タコ、オトヒメエビが動き回っている。
日中には見られないウツボがあちこちで顔を出している。
水面は風で波が立っていたが、水中はすごく穏やかである。
ナイトのときは、日中にダイビングより短い時間を設定するのが普通だが、
いつも結局普通よりも長くなってしまうんである。

2009年5月1日金曜日

ボラ便り VOL.11~VOL.15

ボラ便り VOL.11~VOL.15


ボラ便りVol.11 (2008/10)







気がつけば、ハイシーズンが終わってしまいました。クジラの季節が終わってしまいました。



 クジラとの感動的な出逢いをご報告してからもう一年がたちました。今年は去年に比べると、目撃回数は少なかったのですが、一回一回の内容が濃かったです。去年のように1時間も3頭のクジラを過ごすことはありませんでしたが、やはり親子が浅瀬で休んでいるところを15分ほど覗かせてもらいました。通常子供が一緒だと母親は警戒していて、子供を隠すように泳いだりするのですが、このときはどうもお疲れの様子で、子供をほったらかしで、底でお休みになっていました。ほおっておかれた子供は、息継ぎを頻繁にしなければならないので、ちょくちょく水面まで上がってきては、好奇心もあって、こちらの様子を見にきたりするのです。体のわりにつぶらな瞳をこちらに向けて、浮いたり沈んだり、回転したり、ヒレを動かしたり、水の中をそれは気持ちよさそうに、楽しそうに、のびのびと動き回ります。しばらくして、母親のところに下りていって、ミルクをもらっていました。授乳して目が覚めたのか、のっそりと動き始めると、そのまま一緒に泳ぎ去っていきました。クジラバカで、ビデオマンのサイモンがすばらしい映像を撮っています。



 後日のこと、ボートのかなり前方に潮が上がったので、近づいてみましたが、深く潜ってしまったようでした。とりあえずボートのエンジンを切ると、



「みー、みー」



という声が。



「ん?子猫?いやいや、ここは外洋、海の真ん中。ん?」



クジラを見失ったと思ったのですが、そのときもまたボートに乗っていた、クジラバカで、ビデオマンのサイモンが、水に入っていきました。入るやいなや、水面でなにやらわめきだしました。



「ま下!すぐ下にいる!」



すぐさまスノーケルとフィンをつけて、水に入ります。



大きなクジラが10mほどのそこで休んでいました。しかしなにごとかつぶやいているのです。



「ぼーーーーー(超低音)、みー・・・(超高音)」



猫の声と思ったのは実はクジラの声でした。クジラ語を人間の言葉で書き表すことはできませんが、「ぼーーーーーー」というときには、こちらの体にどどどんと響いてきます。「みー」はイルカの声をテレビなどで聞いたことあるでしょうか。あんな感じです。子猫の声です。どどどん、とくるのは、さすがに迫力がありました。本当に内臓が振動します。彼は(勝手にオスだと思ってますが)どこのだれと話していたんでしょう。



 10月も半ば、もうクジラも去ったかなと思ったつい昨日のことです。ハピティというポイントで、安全停止をしているとき(水深5m)、私たちから10mほど離れたところを大きなクジラが通りかかりました。ダイバーを見て、びっくりしてすばやく去っていきましたが、こっちももう・・・・・涙がでるほどびっくりして、そしてうれしかった・・・・!





10月現在、ボラはいいお天気が続いています。水温も少し上がって26-27度です。








ボラ便りVol.12  「パス復活か?!」            2008年12月






 日差しが肌に痛い、私の大好きな季節になっ てきました。今年の11~12月は去年より暑いですね。おかげで水温が上がって28度から浅いところでは30度行くこともあります。でも日本からいらっ しゃる皆様は日焼けに気をつけてください。5分でくっきり焼けます。すでに黒い私ですら一皮むけました。ま、薄~くですが。



 ここ1年、ろくに潜ることができなかったパスが11月末からいいコンディションが一週間くらい続き、で、潜ったら、マンタです!初日は一枚。かなり長く見ることができ、、かなり近づいて、一度は真上を飛んでいってくれました。何度見ても、やっぱりいいですね、マンタ。



やっぱりいいですね、パス。



その後も2枚、3枚見ることがありました。



優雅です。マンタ。



たいてい中から外に向かって泳いでいますが、また旋回してくるりと戻ってきたりすると、また見られて楽しみ倍増です。



マンタだけじゃありません。ネムリブカはいつ もの場所でおやすみですし、オニカマスの群れ、ギンガメアジの大群トルネードが迫力だし、またドロップオフ沿いにはハタタテダイの群れがかわいいし、エン トリーポイント付近でよく大きなナポレオンが見られます。ほとんど一年前の以前とほとんど変わらず、ほっとしました。



 パスでまともに潜ったのはほぼ1年ぶりで す。なにが原因だったのかわかりません。でもこの一年はパスの流れがおかしく、常に中から外で、透明度が問題外に悪く、ずっと潜れませんでした。いえ、 1,2度、いつもよりはマシだ、ということで無理やりチャレンジしてみたことはありましたが、さっぱりでした。マンタはいたのかもしれません。でも5メー ターぐらいの透明度では運よくかなり近くで遭遇しないかぎり、見つけることは難しかったです。もともと月に数回ぐらいしか潜れないポイントでしたが、今年 は異常でした。アナウのマンタも、今年の1月一週目を最後にぱたりと姿を消していました。ですから、私もまともにマンタに遭遇したのはほとんど11ヶ月ぶ りだったのです!



 実はこのときボラボラの天気はよくありませんでした。雨が約一週間つづき、いろんなアクティビティができないような状態で、でも、パスのコンディションだけが最高の幸運に恵まれていたのです。



 しかし、油断は禁物。このコンディションも いつまで続くかわかりません。その後の雨でまた透明度が落ちてきています。また、今まで中から外への流れのおかげで防げていたかもしれない、オニヒトデの ラグーンへの侵入が、心配です。パス内ですでにいくつか目撃しました。ラグーンのなかのサンゴ礁は外洋とは全く違って、本当に美しいのです。これだけはな んとか守らなければと思います。












ボラ便りVol.13    「暑いボラ」              2009年1月6日






あけましておめでとうございます。



旧年中は大変お世話になりありがとうございました。



今年もどうぞよろしくお願いいたします。



四季のない南国では、時季のくぎりもはっきり なく、なんとなく気がつけば年があけてしまっていた、という感じです。今年は気候が乾燥ぎみで、もう2-3週間雨が降りつづいてもいい時期なのに、いつま でも散発的な雨だけで、すぐに強い日差しがさしてきます。といっても都会のヒートアイランド現象はありませんから、日陰にいれば涼しい、気温30度ちょっ と、水温は28-9度ぐらいです。お客様にとっては雨が少なくて大変結構なのですけれども、本来この時期に来るべきハリケーンも過去2年たいしたものは来 ていません。お客様から聞くに、日本もヨーロッパも気候が急速におかしくなってきている模様。歯止めがきかず、加速度的にすすむ温暖化の影響以外には考え られない現象でしょう。



先日ボラボラのメリディアンホテルにて、カメ センターの責任者セバスチャン氏を中心とした環境保護的NGO団体「ケロニア・ポリネシア」の立ち上げ式がありました。「環境保護的」と表現したのは、実 はあまり「保護」活動が中心ではないので、まず柱になる活動は、彼の専門で、グループの名前に「ケロニア」、つまりカメの学名がつけられている通り、アオ ウミガメの調査・保護活動です。代表のセバスチャンはカメと環境に関してとても熱い男です。そんなわけで、そのほかの活動に、



ポリネシアに生息するサメの研究・調査



密漁・乱獲が心配されるメガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)の保護・調査



ザトウクジラの調査(ハワイ大学と提携)



マンタの調査・保護



サンゴの植樹など保護活動



地元の子供、観光客に対する環境教育・啓蒙活動



などなど、とても盛りだくさんになってしまいました。



 私も立ち上げメンバーに入らせてもらってい ますが、ダイバーとしての役割は、まず毎日潜るなかで、アオウミガメ、ナポレオン、クジラなど見たら報告することです。アオウミガメにしても、マンタにし てもここ1-2年で急激に減っています。個体数が減っているというよりも、開発の進むボラボラから他の静かな島に移動していったようです。



 環境保護と観光業とは実はなかなか相容れな いというジレンマがあります。でも、この美しい島にはぜひ来ていただきたいし、また来ていただくことで、この南の楽園がみなさんとは全く関係のない場所で はなくなり、この島をできるだけ長くみなさんの思い出のなかにある姿のままに保つために、力を貸していただけるのではないか、と思っています。



 話はまた戻りますが、雨季に来ざるをえない お客様へ。ボラには川がないので、雨が降っても透明度にたいした影響はありません。いるお魚も同じです。雨季でも乾季でもダイビングは同じように楽しんで いただけます。また雨の日こそ、ダイビングが最適なのですよ!海のなかは雨が降りません!一緒にボラの海の中を見ていってください。そしてそれを守るため に何ができるか一緒に話しましょう。












ボラ便りVol.14 (2009/02/26)







前回にもふれましたが、今年の雨季は非常に雨が少なく、ここ最近もとてもいい天気が続いています。水温も暖かくなって28~29度ぐらいです。この寒がりの私がショーティで水に入れます。



今回は少しボラから離れたお話をします。



実は1月中旬から1ヶ月休みをいただきまし て、トアモツ諸島にある、アヘ、マニヒ、ファカラバ、ランギロア、ティケハウという5つの島をまわって来ました。ランギロアは有名ですし、マニヒ、ティケ ハウもダイビング雑誌で何回か紹介されていて、ポリネシア本来の素朴さを残した、静かで、素敵な島々です。アヘ以外の4島で潜りました。サイズ以外は似た ような環礁の島なのに、それぞれに違いました。すべてを紹介するのはここでは無理ですが、ツアモツのダイビングはとにかくダイナミック。あえてそれぞれの 特徴を一言で言うならは、マニヒ:魚の群れ、ファカラバ:サメのマーチ、ランギ:イルカ、ティケハウ:マンタ天国。今回、なんと私の夢が二つも叶いまし た。ダイビングでイルカと泳ぎ、そしてハンマーが見られたのです。



どこもパスのダイビングがメインで、パスで潜 れないときは外洋のリーフを流します。リーフは健康で美しいサンゴに覆われていて、色とりどりの魚たちが舞っています。リーフはそれほど広くなくて、すぐ にドロップオフになっていますが、それほど流れもなく、のんびりと楽しめます。(ランギは別。イルカが出た日にはブルーに向かって猛ダッシュをかけま す。)



パスに入れるのは、外から中への流れのときだ けです。外への流れのときは滝のように外洋そこに向かって流れ落ちるのだそうです。パスの底を見るとよくわかります。ボラのパスと違って、トアモツのパス はサンゴがなくなって、砂が滑り台のようにドロップオフに落ち込んでいっています。流れが中に向かうとき、その流れにのって大物たちがパスに近づくので す。ランギならイルカたちが波乗りに集まってくるというわけです。今回の目玉はイルカのほかに、ファカラバでの何百というグレイリーフシャークの行列、そ してティケハウでのシルバーチップ、そしてグレートハンマーです。またファカラバのパスは世界で一番広いパスといわれ、2kmの幅がありますが、パス内の サンゴがとてもきれい。その中ほどに「アリババプレイス」と呼ばれる場所があって、つまり宝物がある場所で、流れから少し守られた魚の楽園、ものすごい大 群のフエダイなどが集まって、ゆーったりと漂っているところに、ときどきナポレオンはネムリブカが通りかかりるのです。ボラでは見られないようなウミウシ なんかも見つかったりして、ずーっとここにいたい、と思ってしまいます。



ティケハウには思わぬものがいました。巨大なオニダルマオコゼ、カクレハオコゼ、それにちょっと珍しいライオンフィッシュです。マンタポイントは浅く流れもない場所で、遭遇率もほぼ100%。



海の豊かさとは対照的に、陸は人が住むには乾 燥した厳しい土地です。水は雨だけ、ココナツと少しの木以外、野菜や果物は育たない土地。(土がない)大きな波がしぶきを上げて打ち寄せる荒々しい外洋 側。それでも、家の周りにきれいな庭を作る、穏やかで、人懐っこい人たち。碧い海と空さえあればいい、何もない贅沢を楽しめる人の場所です。












ボラ便りVol.15     コーラルガーデンの住人 (2009/04/30)






私の一番好きな季節が来ました。4月5月が天気が一番落ち着いていて大好きです。



今日は体験でも見られる、ボラのラグーンの住人のことをお話しましょう。



トプアというポイントがあります。スノーケル のときはコーラルガーデンと呼ばれているところです。ダイビングでは少しはなれたところからドリフトして、最後はコーラルガーデンのきれいなサンゴと白砂 の浅瀬でほっこりして終わります。ここは体験ダイビングでも使われる、大変人気の場所です。



ダイビングではマダラトビエイが見られるところとして有名ですが、実はそれ以外にもたくさん面白い住人が大小います。



ドロップオフの下の砂地にはとても人懐こいキヘリモンガラがいて、ダイバーが来るとむこうのほうから、ぱたぱたた~っと泳ぎよってきます。私たちの追いつくと、ふわーっと周りをうろうろします。まあエサをねだってるのですが、なくても来る、とてもかわいい子たちです。



 次の面白い子はドクウツボです。ドクウツボ なんてどこでもいっぱいいるのに何がおもしろいねん、と思われましょうが、マダラトビエイ谷にここ最近いる少し小ぶりのその子はカメラに興味があってしょ うがない。ビデオカメラやカメラを向けると、ぐぐ~っとクビを(体?)を伸ばしてレンズを覗き込むんです。これはか、かわいい・・・!



 同じ種でも、自然の中でも、本当にそれぞれ 個性があるんですね。特に好奇心の強い子というのは見ていてかわいいもんです。ウツボなどは凶暴というイメージで、日本人受けが悪いのですが、少なくとも 私が見てきたウツボはとても小心者です。ダイバーが近づくとすーっと穴に引っ込んでいきます。



 またコーラルガーデンにはボラで最大のウツ ボがいます。長さ1.5mぐらいのとても太い子ですが、タヒチアンたちはそれを抱き上げて、無理やり水面まで連れて行っちゃうのです。噛まれるんじゃない かと思いますが、その子はするりと手から逃れると、いやあーっとばかりに自分の穴にすっ飛んで戻ります。



 ボラでは大物がメインですが、よーく見ると、ヨウジウオやカクレハオコゼなどの小さい住人もいます。カクレハオコゼはここでは結構稀なので、お客様よりスタッフのほうが大興奮して見入ってしまう始末です。



 またオニカサゴもコーラルガーデンでよく見 られます。小さいのから立派なのまでいますが、岩の上でじっとカモフラージュしていたり、砂をかぶってカモフラージュしていたりします。地味なお魚です が、胸鰭の裏側が目にも鮮やかな色彩をしていてびっくりします。申し訳ないけれども、ちょっとつんつんして、動いてもらってそれを見せていただきます。あ まり泳ぎのうまい魚ではなく、砂地や岩の上を胸鰭を使って、のそピョン、のそピョン、と不器用に移動する姿がまた愛らしい感じです。ちなみに背びれには しゃれにならない強烈な毒があるので、触ってはいけませんよ。



 あと時々砂の上に、モンダルマガレイが潜んでいます。コーラルガーデンでは手のひらサイズほどのかわいいのが見つかります。そっと近づくと、そっと動きます。



サンゴ周りだけじゃなく、真っ白な砂の上にもよく目を凝らすと生き物がいっぱいです。



 じっと観察してみてください。



ボラ便り VOL.6~VOL.10



 ボラ便り VOL.6~VOL.10




ボラ便り Vol.6    (2007/12/08)




 



お久しぶりです。



一ヶ月の休暇をはさみ、その間のお客様にはご不便おかけしました。



 



休暇から戻って、まず大変残念なニュースがありました。



ダイブサイト「ムリムリ」のアイドル、ナポレオンフィッシュのモモがスピアフィッシングの犠牲になってしまいました。いつもダイバーが行くと、向こうから見つけてきて、ずっと付いてきてくれてました。ダイバーと一緒にいるのが本当に好きな、かわいらしい子でしたが、もう会えないかと思うと本当に悲しいです。もともとは餌付けで人に馴らされて、その漁師が来たときもきっとモモのほうから寄っていったのでしょう。ダイブサイトでフィッシングというのも問題外ですが、これが人の勝手な都合で人馴れさせてしまった結果なのでしょう。毎日ショップで流れるビデオの中のモモを見て、なんとも愛し悲しく思います。



 



一方で、ハピティにまた別のナポレオンが登場しました。以前からたまに3匹ほど見かけることはあったのですが、最近モモより一回り小さいぐらいの、大物が現われ始めました。これは普通のナポレオンなので、そう近寄ってくることはありませんが、以前より頻繁に見かけるようになりました。また、以前はめったに見られなかったレモンシャークもハピティによく訪れるようになっています。



 



マダラトビエイの「トプア」。10月11月とめっきり遭遇率が下がってましたが、流れがいい具合に変わってきて、再び見られるようになりました。先日も20枚ほどの群れに2度遭遇し、そのうち一枚は恐れることなく私たちのすぐ前をゆったりと泳ぎ、ずっと付いていくことができ、かなり間近で見ることができました。このサイトには最近アカエイもよく見られますが、どういうわけか、いつも一匹のテンスといっしょです。



 



いいニュースといえば、かつての「マンタポイント」、現在の「アナウ」がダイブサイトとして公式に復活したことでしょうか。ここ最近は2度に一度の確立でマンタに会えます。今日は5m級の大物に遭遇しました。



 



ボラでは、きっちり12月頭から雨季に突入しました。ここ一週間毎日雨です。今日は久しぶりに曇りで、いい感じです。雨でもダイビングに支障がないかぎり、毎日潜ります。今は南西からの風で、ムリムリなどは穏やかでとてもいいダイビングができます。ただ、今年はしっかり暑くなる前に雨季に入ってしまったので、水温が上がらず、まだ27度前後です。












ボラ便り Vol.7    (2008/01/09)




 



イアオラナ。(タヒチ語の「こんにちは」です)



明けましておめでとうございます。



昨年はいろいろとお世話になりありがとうございました。



今年もどうぞよろしくお願いいたします。



 



年末年始の数日は今年一ほどの忙しさになりました。



日本人のお客様の中にもすでにいっぱいでご希望通り潜っていただけない方もいらっしゃって、大変申し訳ありませんでした。



 



12月は雨が続き、気温も上がらず、ダイビングには寒かったのですが、ここ最近天気が落ち着き、ダイビング日和がつづいて、ありがたいことです。



水温が浅いところだと28度にようやく上がりつつあります。



以前回復したダイブサイト「アナウ」、かつての「マンタポイント」ではかなりの確率でマンタが見られています。透明度は決してよくはありませんが、マンタが見られるところというのはそういうものですね。



先日は潜ってすぐに2枚のマンタと遭遇し、約 40分のダイブ中ずっと一緒にいることができました。今日も一枚と遭遇し、20分ぐらいは同じところをぐるぐる回ってくれました。しかも今日は途中大きな ナポレオンが横切ったり、最後にはマダラトビエイも遠いながら2枚飛んでいき、なんともラッキーなダイブでした。何回見てもつくづく優雅な生き物です。先 日などはすぐ真上を手が届くぐらいの距離を旋回してくれたり、すぐ真横や足元などかなり近づいてきてくれました。マンタに近づくには動かないことです。 じっとしていると向こうから寄ってきてくれます。よくカメラを持ったダイバーが突進していったり、まだ初心者の方がばたばたしていたりしますが、そうする とまず去って行ってしまいます。マダラトビエイのときもそうですが、私たちはブリーフィングのときにに必ずお客様に、マンタあるいはマダラトビエイに遭遇 したら、そこにへばりついて静かにしているようにいいます。そうすればたいていかなりの近くを泳いでいってくれます。



 マンタとは別に、最近「タプー」でテンスモドキの幼魚が見られます。成魚は大して面白くもない魚ですが、幼魚のときはその形、模様がなんともへんてこで面白いのです。頭の上に二本アンテナのようなものが立っていて、水の動きに合わせてふわふわと泳いで(?)います。



 最後に一つ注意事項。「ハピティ」に巣をつ くっているゴマモンガラがいます。通行には注意しましょう。ゴマモンガラに襲われたときは上に上がらず、後ろ向きにフィンで戦いながら水平に泳ぎ去ること です。テリトリーから出ればもう襲ってきません。たまに笑い事ですまないことも起こりますが、こういうのにも遭遇するのもなかなか味があるものです。魚た ちもそれぞれ一生懸命生きているのだなあ、と実感する瞬間です。












ボラ便り Vol.8   (2008/02/28)




 



みなさま、こんにちは。



ボラでは雨季がほとんど終わりに近づき、いい天気が続くようになりました。日差しが強く、水温もようやく少し上がって、28度になりました。まったくの凪の日は、海が鏡のようで、天気がよい日は、ラグーンの水面に青い空とオテマヌ山がきれいに映ります。



 



今回はボラで見られる私の好きな魚を紹介しましょう。



 



泳ぎ方が好き部門:



ナポレオンフィッシュ:ナポレオ ンはべラですから、べラはみんな同じ泳ぎ方をするのですが、ナポレオンは大きいのでそれが際立ちます。正確になんと言うのでしょうか、胸鰭でしょうか、え らのすぐ横のヒレですが、それを左右同時に前に向かって開き、また体に沿わせて閉じ、ピッコピッコと泳ぎます。これを正面から見るととてもかわいい。以前 ムリムリにいたモモはダイバーを見つけては向こうからやってきました。ふと振り向くとモモがまっしぐらにこちらに向かってきます。そのとき真正面から見る ことになるので、この顔の横のピコピコがよく見えました。実際にはナポレオンを正面から見られることはめったにありませんが、もしチャンスがあれば正面か ら見てみてください。モモはいなくなりましたが、ときどき同じぐらい大きいのが別のポイントで見られます。子ナポレオンならよく見かけます。



 



ゴマモンガラ:どうして彼らは傾いているのでしょう。体後方にあるほぼ同じ大きさの三角の背びれ腹ビレを同時に左右に動かして泳ぎます。しかしどうも斜め状態です。ゴマモンガラにそっくりで体が薄緑で顔が薄ピンクのモンガラがいますね。日本名を知りませんが。(Giant triggerfish)トプアにいるこれはモモのようにダイバーを見つけてはあいさつに来ます。しかし巣作りをしているときは気をつけましょう。



 



フグ:ミゾレフグやネズミフグが よく体験ダイビングのポイントで見られます。やっぱり体が重いのでしょう、よく珊瑚の上にぽてちんとのって休んでいます。とても小心者なので、近づくとう わーっと逃げていきます。モンガラのように上下のひれを同時に左右に動かして泳ぎますが、モンガラと違って小さくて丸っこいヒレなので、ヒラヒラパタパタ という感じ(?!)で泳ぎます。また同時にエラの横のやはり丸いヒレも、これは左右を前後反対に動かします。前と後ろでパタパタするので、「そんなに必死 に逃げんでもー!」と思わず手を伸ばしてしまいます。



 



魚にも好奇心らしきものがあるのだなあ、というのが私が魚に興味を持ち始めたきっかけです。その前は魚図鑑すら目に入れないくらい、海の生物が気持ち悪くて大嫌いでした。まさか海で仕事をすることになるとは、お釈迦様もびっくりです。



魚と目を合わせてみましょう。見ています。












ボラ便り Vol.9   (2008/05/18)




 



こんにちは。



ここ1ヶ月は穏やかないい天気が続いてます。ボラは4月5月が一番いい季節です。たまに雨は降りますが、何日も降り続くことはありません。水温は少し上がって28度です。



 5月はタヒチのほうではサーファーが興奮す る季節です。世界でも屈指のサーフィンの大会がタヒチイチのチョーポーで開かれます。つわものの波乗りたちが、世界チャンピオンでさえ難しいという、かな り命がけの危険な波に挑戦します。サーフィンの発祥はなんとタヒチだそうです。この時期タヒチにいらっしゃる方は是非見ていかれたらいかがでしょうか。ア ドレナリン噴出間違いなしです。



 先日、かなり濃いトレッキングに参加してき ました。ポリネシア唯一の政府公認ガイドによる自然と歴史を知るトレッキングです。ガイドはアズディンといい、ポリネシア人でも、フランス人でもなく、モ ロッコ人です。彼はポリネシア人すら忘れてしまった彼らの歴史を掘り出して、国内で発表しています。発掘作業的なことも、ほぼ一人でやっています。彼によ れば、ポリネシア人ですらそうだと信じている歴史は、実はヨーロッパ人によって、作られたものであるとか。(これはどこでもそうですね。)



まずはポリネシア人がどこから来たのかから始 まり、彼らの居住地域、生活方式、宗教などをその跡地をめぐりながら説明してくれます。またボラがポリネシア文化圏(ハワイ・イースター島・ニュージーラ ンドからなる三角地帯)の中心だったといいます。現在海辺にのみ住むポリネシア人のもともとの生活圏は山の中で(今は“タブー(禁忌地)”)、木の実など 森の恵みでもって生きていたそうです。彼が強調していたのは、いかにヨーロッパ人がもといた人々の生活を破壊し、洗脳し、その国をのっとったか、というこ とでした。アメリカインディアンと同じような虐殺が行われ、かなりの人口が減少したといいいます。(いわゆる細菌兵器ですね。病原菌を免疫のない原住民に 広めちゃった。全く・・・)



最後には王の墓と思われている巨大なバンヤン の木(菩提樹の一種)に行き着きました。この木は枝から根を地面に向かって伸ばしつつ、同心円状、さらに横に広がっていくので、「歩く木」とも言われま す。樹齢千年以上というその木はさすがにどかりと周りを圧倒し、鬱蒼としつつも結構明るいそのあたり一面に、なるほど、聖地かもしれない、と思わせる雰囲 気を漂わせてました。



植物のほうも、野生のしょうが、唐辛子、ココのデザート、胡桃など、現地人もあるとは信じなかったもの、また、女王のハイビスカス、時計の花、そのめしべの先を傷につけるとあとが残らずすぐ直るという花、水の出る蔓など、いろいろ面白いものを紹介してくれました。



 考古学的考証は正直ちょっと眉唾もので(ポ リネシア人はタイから来た!など)、まあ、話半分に聞いてましたが、アズディンの歴史に対する情熱、ポリネシア文化に対する愛情は本当にものすごかったで す。ランチも取らずにずーっとしゃべり続けてるんですから。(教授のぐちも含め・・・)



 あまり書くとアズディンの仕事がなくなっちゃうので、ココまでにしますが、また違ったボラボラが楽しめ、ここがポリネシア人の国だと改めて認識させられました。



お勧めですが、ガイドは英語かフランス語のみです。





















ボラ便りVol.10    (2008/08/05)




 



こんにちは。



ボラはすっかり乾季です。ときどき風が強い以外は、とてもいいお天気が続いています。水温は26度です。



6月中旬から7月下旬にかけて、ボラではヘイ バというお祭りで盛り上がってました。本当はボラだけでなく、ポリネシア全体のお祭りなんですが、まあ、私はボラのことしか知りませんから・・・。この時 期、町の広場に夜店が立ち並び、その横の観客席つき広場で、毎晩タヒチアンダンスや歌が披露されます。ボラのような小さな島にも4-5の地区があり、ダン スなどを競い、最終日には表彰されるのです。芸能のほかにも、自転車レース、カヌーレース、タヒチアン槍投げ競技、石持ち上げ競技などいろんな競技が日中 にも行われます。私はダンスを2つ見にいきましたが、それぞれタヒチの神話などのテーマに沿った演出になっていて、それにあわせて毎年変わる衣装がなかな か素敵でした。タヒチアンダンスはいわゆる腰振りダンスですが、ハワイアンより、かなり早く激しいので、見ごたえがあります。髪を長くたらして、葉っぱの スカートやティアレの頭飾りなどをまとった女性たちが、微笑みながら、上半身はゆったり、優雅に舞いつつ、腰だけがものすごく振れているのです。男性はひ ざを動かします。力強いパーカッションがまたいい。ボラでは男性ダンサーが少ないのがさびしいですが、ボラのいいところは、かなり近くで見られることで す。タヒチはステージ上だそうで、遠いんだそうです。ボラは観客席(有料)の真ん前、無料の脇席(ござで場所取り、あるいは立ち見、隙間見)でも、目の前 でダンサーが踊っているのが見られます。スナック、ゲーム、おもちゃが売っている夜店も楽しく、なんと綿菓子を見つけ、思わず買ってしまいました。



 久しぶりにダイビングのお話もしましょう。



 先日、ハピティというポイントで潜りまし た。ここはツマグロザメがたくさんいて、ナポレオンもときどき見られます。普段は比較的静かなポイントなのですが、この日はやけに騒がしい。なんとナポレ オンが大中2匹いるではないですか。しかし動きがおかしい。よく見ると、周りにいるツマグロを追っ払っているのです。成魚でしたから、ツマグロよりも大き いのでツマグロは簡単に追い散らされていました。ふと脇に目をやると、ウツボがいました。ホワイトマウスモレイという口の中が真っ白の小さなウツボです。 わたしが「ほらほら、ウツボ!」とお客様に知らせようと指を指した瞬間、横からパクッ!・・・次の瞬間見たのは、そのウツボをくわえたツマグロ。それを追 跡する2匹の別のツマグロ。かれらは通常見られないようなものすごい勢いでで泳ぎ去っていきました。ウツボを食ったサメの口元にはまだウツボの身体が半分 たれていましたから、それを奪おうする殺気は喰ったサメより強かったです。喰われたほうも、喰ったほうも、大変です。野生の世界ですねえ。指した対象を奪 われてしまった私は呆気にとられてしばらく固まっていました。



 サメというのは、夜捕食行動をするものだと一般的に考えられています。ボラでは餌付けをするので、それを食べるのを見ますが、サメの自然の捕食行為というのはいままでの見たことがありませんでした。いやあ、ええもん見せてもらいました。



「ウツボをくわえたツマグロ、追っかけて、横取り、ねらうぞ、2匹のツマグロ♪」(サザエさん)











ボラ便り VOL.1~VOL.5

 ボラ便り VOL.1~VOL.5


ボラ便り vol.1   (2007/05/07)








一週間降り続いた雨は今日ようやく上がり、今日素敵なダイビング日和になりました。ゴールデンウィーク中のこ とで、雨の間に滞在されたお客様には大変気の毒なことでしたが、お天気はどうしようもありませんからね。久しぶりの晴れの日に、ほんとに久しぶりにパス (マンタポイント)でダイビングができました!約一ヶ月近く水が全くにごっていたり、流れがとても速かったり、荒れていたりで、ずっと潜れなかったのです が、今日通りかかったら、久しぶりに水が澄んでいて、底が見える!当然予定を変更して、パスで潜りました。実際は澄んでいたのは15mぐらいまでで、その 下は約5mの透明度。どうかなあ、と心配しながら進んでいくと、いました、大きなマンタが一匹。透明度が悪いときに遭遇するということは、かなり近くで見 れるということ。こちらもゆっくり近づいていったので、向こうもゆったりしたもので、触れそうなぐらいまで近寄ってくれました!しかし、これは運がよかっ たので、一緒に潜ったもう一つのグループは見られなかったそうです。



 雨が過ぎて、気候がいよいよ秋に入ったような気がします。空気が少しすずしい。水温は雨のせいかもしれませんが、27度です。先日の雨のときは、気温のほうが低かったようで、水の中にいるほうが、暖かかったです。気温は天気、朝晩によって、24~30度ぐらいです。



 ダイビングのコンディションはまだ変わりません。外海のほうは透明度がよく、ラグーン内のポイントではほぼ毎回マダラトビエイの群れが見られます。



 ダイビング以外では、昨日までのフランス大統領選で、投票日にはお酒が買えなかったりということがありましたが、選挙も終了し、そういうことももうないでしょう。意っぽいで、毎年7月に行われるフェスティバル「ヘイバ際」に向けて、島の人たちが、音楽、ダンスの練習を始めました。お泊りのホテルによっては、夜な夜な遠くのほうから、太鼓のリズムが聞こえてくるかもしれません。 7月ごろお越しのお客様には是非これを見て行っていただきたいと思います。毎晩コンペが行われるということです。






ボラ便り vol.2      (2007/06/04)



 



5月末からに入り、ボートの上で体に当たる空気が少し涼しくなってきました。日のあたるところでじっとしてると、まだまだ暑いのですけれど。水温は27度です。



天気やダイバーさんの経験などの配慮から、あまりいかないムリムリというポイントでこの間すばらしいダイビングがありましたので報告します。



ムリムリは島の北、ちょうど空港の裏側にあるポイントです。深く、また海面が荒れることが多いので、経験者限
定のポイントです。北のちょうど角に当たるところなので、流れもあり、そのおかげで大物が見られます。普通でもここでのダイブはいいのですが、先日のはす ごかった。私のダイビング経験のなかでもベストの一つになりました。



 



エントリーからいつものようにグレイリーフシャークがダイバーの周りをうろつきます。それから、またいつもの
ように人懐っこいナポレオンフィッシュがダイバーによってきます。この日、いつもと違ったのは、メリディアンホテルで保護されていたカメを私たちの船から
放したことです。しっかりマーキングされ、濡れたタオルに包まれて船に乗せられていたカメ(タイマイ)は水に入ると元気に力強く泳いでいきました。それを
追っていると、別のカメが横切りました。ムリムリではたいていカメの一匹二匹に遭えます。しかし、この日はそのあともまた別のカメが、また違うのが、とい
う風に、おそらく違う5体のカメに遭えました。



 



さあ、エントリー直後から、サメ、ナポレオン、カメと素敵でめまぐるしい出逢いに興奮したダイバーたちとさら
に深く24mポイントへ。砂地が広がりその先には暗いドロップオフが深い深海へと続いています。ここに最近グレイリーフシャークの子供が泳いでるという情 報があったので、探してみたら、いました!50cmぐらいのかわいい子ザメが一匹。



ドロップオフの淵のあたりでは、普通は浅瀬で群れをつくっているギンガメアジのトルネード。



そこに、ここでは珍しいマダラトビエイが5枚ほど横切り、



その先の深い青の奥のほうに、まだ何かの群れが見えます。



こうなったら、今日は少し深く行くぞ、ということで、30mラインまでいきました。



マグロの群れです。70cmぐらいの大きさのが群れで泳いでいきました。



30mラインを流していくと、今度はオニカマスの群れです。



さらにその下をまたマダラトビエイが横切り、そしてまたもやカメが食事している…



安全停止中はまたグレイリーフシャークにぐるぐる取り囲まれました。手を伸ばせば触れそうな距離です。(でもしてはいけませんよ)



 



いやはや、すごいダイビングでした。興奮して疲れました。



この日、同行のビデオマンはさらに深いところまでいき、マグロに囲まれ、また子ザメの群れも見たそうです。



 



実はその次の日もムリムリにいきました。前日ほどではありませんでしたが、それでもまたいいダイブで、このと
きは浅瀬で大きなギンガメの群れに遭遇しました。二つの群れが一瞬一体になり、私は完全にその輪の中にいました。サメがちょっかいを出していて、数匹のギ
ンガメが追い払い作戦を展開しているとき、おそらくサメの一匹が急な攻撃を仕掛けたのだと思います。群れがバッと方向転換しました。(ほんとに音が聞こえ
ました)それが私の方向だったので、ちょっと驚いてしまいました。



 



このところ、マンタポイントのパスは一ヶ月ほどご無沙汰で(透明度が非常に悪くてもぐれません)、タプーとト
プアの繰り返しでしたが、(初めての人にはここも面白いのですよ。特にタプーはもう一つのベストサイトです)久しぶりにムリムリでの大興奮ダイブができま
した。ほんとにいいところなので、いろんな人に楽しんでもらいたいところです。残念ながらボラボラにいらっしゃるお客様は1日だけのダイブ、というかたが
多いので、なかなか行ってもらえません。せめて二日予定してくれていたらなあ、と残念に思います。



長くなってしまいました。



それでは、今回はここまで。



また次回もよろしくお願いいたします。


 




ボラ便り VOL.3      (2007/08/09)



 



今年は穏やかな冬で、ここ1ヶ月非常に安定した天気が続いています。



朝晩はさすがに冷えますが、風のない日中はほんとにいい陽気です。



ただ水温は26度に落ちてきました。



ダイビングもいいコンディションで、最近いいニュースがあります。



以前の「マンタポイント」、現在の「アナウ」にマンタが戻ってきたようで、



目撃情報が増えてきました。ここ数日前から朝のダイビングにアナウに行くようになりました。



今日はその「アナウ」でものマンタととても素敵なダイビングができました。



まず一枚を発見。しかし透明度は
あまりよくなく、遠くにぼんやりとでした。とりあえず、頑張って、しかし静かに追跡しましたが、すぐに視界から消えてしまいました。がっかりしてダイバー
のほうを振り返ったら、ダイバーのすぐ下に別のマンタが泳いでるではありませんか!このマンタは実にゆったりとしていて、たぶんクリーニング中だと思いま
すが、非常にゆっくりと旋回しながら、再び反対の方向に泳いでいきます。私たちはそのあとをゆっくりを追いかけました。幸いとてもマナーのあるダイバーさ
んで、カメラをお持ちにも関わらず、絶対にガイドの前にはでない、という思慮でしたので、全くマンタをびっくりさせることなく、このあとなんと約20分ほ
ども一緒に泳げたのでした。途中上に旋回したりしつつ・・・。



いやはや、私もこれほど長くマンタと一緒に居られたのは初めてでした。



このポイントはまだダイブサイトとして安定してはいないので、そうちょくちょくいくわけにはいきませんが、また「マンタポイント」が帰ってくればと願っています。



もう一つ、わくわくする情報。



一週間ほど前にクジラ目撃の第一報が入りました。



島の西側、ダイブサイト「タプ」付近で見られたそうです。



これからクジラシーズン、一度でもいいから、近くで見てみたいものです。



では、またマンタ情報、あるいはクジラ情報が近々お届けできたらと思います。



 





ボラ便りVol.4     (2007/09/12)



 



今年は穏やかな乾季で、風も強くなく、雨も少なく、非常に暖かでした。寒がりの私は大いに助かりましたが、これも気象変動のひとつ、手放しで喜ぶわけにはいけません。



それにもう一つ、この時期には南からの風と海流に乗ってクジラがやってくる季節なのです。暖かでは、やってきません。



そんなわけで、今年は出現がずいぶん遅れました。



初見は8月下旬でした。



それはそれは大きな興奮が島を駆け渡りました。(海で仕事している者のあいだだけですが・・・)



この時期一部のスタッフは船に携帯を持ち込
み、別の場所で出たという情報があれば、いち早く電話してもらい、現場に駆けつけるという技をやってのけます。残念ながらダイビングのインストラクターは
そこまで勝手には動けませんが、皆さんの了解があれば、急遽ダイブサイトを変更することもありました。



しかしながら、私自身がクジラに遭遇したのは
少し遅れて、実はほんの二日前のことです。はじめ北で見たという電話がかかり、急遽サイト変更、現場近くのダイブサイトに向かうも、そこでは見られません
でした。一本目が終わりボートに戻ると、今はパスの近くを通って南下しているという情報が入っていたので、またまたパスの近くのポイントへ急行しました。
途中南から上がってきたボートがクジラのサインをし、南を指差したので、ますます私たちのボートは文字通り飛ぶように向かいました。



タプを少し通り越した、少しおきのほうで、ついに潮があがるのを発見。あせる気持ちを抑えて、ゆっくりと近づいていきました。脅かしてはいけません。もぐっていってしまいますしね。



2匹いました。大きな背中が水面に現われまた消えました。



一番近い瞬間で約30mぐらいの距離でしたね。



もうなんともいえませんでした。



すぐにも水にジャンプして、そばに行って一緒に泳ぎたい欲求を抑えて、とにかくみていました。



出逢いはほんの2-3分のことでした。



それ以上行くと、途中でガソリンがなくなって、ショップに戻れなくなってしまう恐れがあったので、断念、2本目のポイントに戻りました。



正直、泳いで戻らなくてはならなくても、エンジンがなくなるまで追いかけていきたかったんですが、お客様はまあ泳いでホテルまで帰りたいとは思われないでしょうから、しかたなかったですね。



もう一度、今度は水中で見られる日を楽しみにわくわくしています。



クジラのシーズンは10月ぐらいまでです。










ボラ便りVol.5      (2007/09/30)


 



人生最良の日



 



来た、来た、来た、来たあ~~~!



来ましたよ、ついにクジラが!



前号でクジラ目撃について触れましたが、あんなものではありません。



一度目はムリムリ(北のサイト)の沖。



1ダイビング中からクジラの声が聞こえてましたが、船にあがると沖に潮が吹き上がったではありませんか!! そらいけっ !てなもんで、ボートを走らせましたね。例のビデオマンも大興奮です。近づくとなんと3頭でした。前方に大きな背中が海面からせりあがります。



尾びれが水面から突き立ち、沈んでいきます。



「おおおお・・・!!」



3頭はゆっくりと泳ぎながら北上していました。



時々水面に現われては、また潜行します。



私はボートの屋根にのぼって探しました。



突然、ぶほっという息をはきながら、ボートの真横に浮上してきました!大きい!



「ああああああ・・・・、ま、ま、でた!」



人間、大きいものに遭遇すると、言語障害になります。



ボラボラで見られるのはザトウクジラです。



背びれが小さく、胸鰭がとても長い。そしておなか側が真っ白い。水面から見ると透き通った碧い水の下に体の白い部分が透けて見えます。



3頭がボートの前に近づいた隙に私一人水に入りました。



目の前を大きな一頭が泳いでいきました。



ゆったりと体をうねらせて、あっという間にブルーの中に消えていきました。



初めてクジラを自分の目で水の中で見ました。テレビで見るような光景です。10秒ほどのことでしたか、なんだかすごすぎて、夢でも見たようでした。



私たちは約1時間ボートの上からクジラを楽しみました。



 



しかし、話はこれで終わらないのです。



その約一週間後、今度は約1時間一緒に泳いだのです!!



3頭(親子と若いの)とずーっと途切れることなく、水の中で一緒に過ごしたのです。



奇跡です。



水の中といっても、もちろん私たちはスノーケルです。



その日クジラの周りにはたくさんのボートがいました。はじめはゆっくり泳ぐクジラを距離を置いてついていきました。途中何回か数人が水の中にジャンプしましたが、クジラはすぐに水に潜ってしまいます。



そうです、彼らはほんとに泳ぐスピードが早いんです。巨体をほとんど動かしていないように見えて、ほんの少しの動きであっという間に水の向こうに消えてしまいます。こっちはフィンをつけて、全速力で泳いでいますが、追いつくのはまず不可能です。



30
ほどそうしていたでしょうか。再びクジラがボートの近くに来たとき、みんな水に飛び込みました。3
頭はすぐ潜ってしまいましたが、水中で3頭が並んでまたゆっくり浮上してきたところが見えました!白いおなかをこちら側に見せて、本当にゆっくりと浮上し
ながら、私の視界から消えました。これだけでももうすばらしかったのに、なんとここで
3頭は進行を止めたのです!前方で潮があがったので、そちらのほうに全速力で泳いでいくと、再び3頭を水の中で確認!そこから約
1時間、彼らは私たちと一緒に過ごしたのです。



若いメス(だと思います)は大変 好奇心が強く、あがったり、下がったり、くるくる回りながら、何度も私たちのほうに近づいてきます。何度も目が合いました!一度など、ほんとに手を伸ばせ
ば触れるところまで来たんですよ!心臓がどきどきして、何がなんだかわかりませんでしたね。ちなみにクジラにあまり近寄るのは気をつけたほうがいい。クジ ラの体の回りには強い海流が生まれます。うっかり巻き込まれかねません。それでも、やはり近づきたいのが人情ですね。



クジラのお母さんはさすがに警戒 を解きません。子供を必ず自分の体の影にして、あまり動かずじっとしていました。時々一緒に息を吸いに水面まで上がってきます。そしてまた水中で一緒に泳
ぐのですが、ときどき、何人かが素潜りで親子のほうに近づくと、お母さんは両手を広げて立ちはだかるようするのです。クジラは本当に子供を大切にします が、まさに目の当たりにしました。



それにしても、クジラがあんなふ
うにくるくると遊びながら泳ぐものとは知りませんでした。とても好奇心が強く、遊び好きなんですね。横を向いたり、おなかを上に向けたり、水面からひれを
出したり、鼻先を突き出したり、とにかく普通の体勢で泳いでいることがほとんどない。明らかに私たち人間を意識していて、クジラが人間を見ているのです。
そして、明らかに魚とは違う胸鰭の動き。まさに手のような使い方です。黒と白の美しい流線型の体に、一度も開けることはありませんでしたが(開けたらさす
がに怖い・・・)、目の下まである大きな口。その上の目。クジラと目を合わせることができるなんて、考えたこともなかった。



奇跡のような時間でした。水から顔を上げることも忘れ、クジラとの時間を過ごしました耳が水面下に入ると音は消えます。自分の呼吸だけ。青い静かな世界の、本当に美しい時間でした。



終わって、人間側は子供のようにはしゃいでました。



その日、風はなく、空は晴れわたり、空気は澄み渡り、オテマヌ山がすっきりとそびえ、遠くタハア、ライアテアも近くに見え、夕方、赤い夕日は雲のない水平線にとっぷりと沈みました。



完璧といっていいほど、それはすばらしい一日でした。