2009年11月10日火曜日

10日「サメのはなし」


レモンシャークはまだお戻りでない。
ハピティで一匹見かけたが、タプーではゼロだった。
ツマグロはなぜか男の子ばかりがいた。
サメは言うまでもなくお魚である。
魚というのは卵を産む。
しかしサメの中には子宮をもって完全なサメの形になってから出産するものも多い。
完全な胎生というのではなく、子宮の中に卵のようなものを作り、
胎仔はその卵黄で成長する。卵黄嚢から母親の欠陥につながり、栄養をもらったりするらしい。
レモンシャークはそのタイプである。
確かにブランシェットと呼ばれたレモンちゃんはいつまでも大きなおなかをしていた。
ある日急にスリムになったものだ。

サメは長生きするお魚であるから、性的に成熟するのに10~20年かかるらしい。
しかも妊娠期間が長く、1~2年も妊娠し、そして生まれる子どもの数は少ない。
ただし一旦生まれてしまえば、すでにサメの機能を備えているので、いきなり獲物を捕らえることができるのだ。
そんなわけで、サメは乱獲などに非常に弱くて、あっという間に数を減らしてしまうのだ。
レモンちゃん、無事に早く帰ってきてくれい。

2009年11月8日日曜日

9日「合コンにつき、今日は留守です」

今日タプーで大きなタイマイ(カメ)が私たちの目の前をのんびりと横切っていった。
カクレハオコゼもいたし、ネッタイミノカサゴもいた。
でもタプーの主役のレモンシャークが今日は一匹もいなかった。
一年に1度ぐらい、レモンシャークが姿を消すことがある。
この日は合コンに出かけていると思われる。
1~2日後、体中傷だらけになって戻ってくる。ま、エッチ。

少し前からやたらスリムになったレモンシャークが増えたので、
私はてっきりダイエットに成功した・・・、いやいや、
どこかで出産してきたのだろう、と思っていたのだが、
まだだったのか・・・?
そうそう、ボラボラにいるレモンシャークはみんな女性である。

2009年11月6日金曜日

6日「ハワイキヌイ・ヴァア!」

本日快晴。
「ハワイキヌイ・ヴァア」は3日間にわたる6人乗りカヌーの
過酷なレースである。
 2日前フアヒネを出発してライアテアへ、
昨日ライアテアからタハア、
そして本日タハアからボラボラ。


ゴールはマティラビーチ。
この日は年に一度の大イベント。
ボラボラの人だけじゃなく、いろんな島からボラボラに人が集まってくる。
ビーチも海も人とボートであふれかえる。

毎年10月末日だったが、今年は日が変更になった。
でもハワイキヌイの日はいつもいいお天気で暑い。
わたしゃ、今日一日で焦げた。

お、おばちゃん、ええタトゥーやね。

先頭のゴールはだいたい昼前。
この日みんな朝からマティラに集い、ビールを飲んだくれ、
すでに出来上がっている。
この日仕事なんかする人はいない。



たくさんの船がレースについてマティラに入ってくる。
先頭チームが来て、大きな歓声があがる。

コース両サイドに人が並んで、自然とコースができあがり、
その間をラストスパートをかけたカヌーが通り抜ける。
そのとき水をかけて応援するのが習わしらしい。
 
そのための立派な水鉄砲もある。

競技カヌーが目の前を通り過ぎる迫力!

うおりゃあ!!

レースにはポリネシアだけじゃなく、外国からのチームも入れて、
たくさんのチームが参加している。
つぎつぎとカヌーがゴールに入ってきて、
そのたび大きな歓声で迎え入れ、水をかけて最後の激励をする。
約1時間ほどの間にほぼすべてのカヌーがゴール。

3日間にわたる戦いが終わった。

表彰式。
上位3チームともポリネシアチーム。
タヒチのOPT(郵便局)プロチームが優勝。次がシェルチーム。
ブラジルやハワイ、ニュージーランド、はてはドイツからのチームも参加する、
国際大会だ。


レースが終わるのはお昼過ぎ。
しかし宴はこれからが本番だ。

学校が約2週間の休み期間ということもあって、
10代の若者たちの集いの場になっている。
おそろいのきれいなバナナ帽子をかぶった少年たちが、
バーベキューをほおばっていた。

お祭りだから、当然屋台も出ている。
今日はとても暑かったから、カキ氷は最高だろう。
ほかにホルモン焼きや
この暑いのに喰えるか~!と思うようなチョコレートケーキ、
サンドイッチ、すっきりさわやかココナッツジュースなどなど、
これも楽しみの一つ。

マティラの主も今日は落ち着かない?
私たちもヒナノを飲んでは、海に入ってほてった体を冷やし、
また飲む。
私たちの後ろでは
どうみても10代の子どもたちがラムをストレートであおっている。
だらだらとした宴は日が暮れるまで続いた。

2009年11月5日木曜日

5日「ナイトダイブ」

昨夜はナイトダイブであった。
初心者さんが多く、そちらに気をとられて大したものはお目にかかれなかったが、
一ついいものを見た。
サンゴのポリープが一杯に開いているのである。
このサンゴ、岩みたいに見えるので、ダイバーがよくつかんでしまい、場所によってはすっかりはげてしまったところもあるのだが、ぎっしりとサンゴがいるのだ。
サンゴは日中は体内に飼っている褐虫藻が光合成をして作り出す栄養を食べているが、夜になると自ら触手をのばしプランクトンを捕らえて食べる、草食、肉食両刀なのである。
触手は小さなイソギンチャクを思い浮かべればよい。その真ん中に口がある。
サンゴは立派な動物なのだということを知らない人は多い。
とにかくこのサンゴ、触手を一杯に広げて、夜の海の中、ゆらゆら揺らめいている。小さいからゆらゆらというより、草原に風がわたるときにさーっと草がなびく、あんな感じである。
生命の密度がすごくて、感動してしまった。

2009年11月3日火曜日

3日「勘違い」

カスミアジのオスは彼女ができると、赤くならず、黒くなる、と聞いたことがある。
確かに青いのと黒いのが並んで泳いでいるのをよく見かける。
先日安全停止をしていると、黒くなったカスミアジが私の周りをぐるぐるぐるぐる泳ぎ回る。
餌も持ってないのに、なんだろうといぶかしみながら、見ていると、
突然、さあーっと色がもとの青にもどり、ものすごい勢いで泳ぎ去っていった。
彼女と勘違いしていたのが、はたと異種のダイバーであることに気が付き、
びっくりして青ざめ、去っていったように見えた・・・。

2009年11月2日月曜日

2日「挑戦的態度~最後の偉大なる行動」



うちのショップで売っているマスクストラップカバーのデザイン。
写真が小さいな。見えるであろうか。
サメに喰われる最後の瞬間のダイバーがサメに向かって中指を立てている。
アメリカのショップから仕入れた商品で、いかにもアメリカ人らしいアイディアである。
しかし、おもしろい。
これを購入してくれるユーモアの持ち主はまだ現れない。

ちなみにサメはわざわざダイバーを喰わない。

2009年11月1日日曜日

1日「オバケの襲来」

何度も繰り返すが、暑くなった。
気温が上がると緑が一気ににょきにょきっと伸びる。
先週の雨の水をたっぷり含んだ暑い空気にむ~んと緑のにおいが混じる。
緑が急に濃くなった。

ところで、昨夜生まれて初めてお化けの襲撃を受けた。
夜誰かがドアをノックするので、恐る恐るカーテンを開けると、
ガラスドアの向こうに、ガイコツの顔やら、
なにやら小さいオバケがずらりといて、私を見ている。
操られるようにドアを開けてしまうと、オバケたちはいっせいに
「ボンボン!(飴!)」
と叫んだ。

10月31日はハロウィンである。
この日、子どもたちはオバケに扮し、近所を「trick or treat!」と叫び、
お菓子をねだり、もらえないと悪さをして去ってもよい、というけしからぬ風習が
西洋にはあるらしい。
そんなこと自分には全く関係ないと思ってお菓子などなにも用意していなかったので、
「でぞれ~。にゃぱ ぼんぼん~(ごめん~、飴ないよ~)」
とつぶやくと、
お化けたちは私を睨みながら、しかしすんなりと去っていった。
そう、新しい住まいの近所にはお餓鬼が多かった・・・。
来年は用意しておくとしよう。
来てくれるかな?

・・・そやけど、ほんまにちょっとびっくりしたで・・・。