冬場の冷えた海水も沸騰するかと思われるほど、
怒った瞬間があった。
その日はアナウは透明度もよく、マンタもよく現れてくれた。
そのうち一枚が私たちの前方からこちらに向かってくる。
ダイバーたちは静止し、息をつめて、マンタを待ち、写真を撮っていた。
私たちの5mほどまで近づいたとき、
そのマンタの真上からスノーケラーが素もぐりで降りてきて、
マンタの真上30cmぐらいまで近づき、その背中を一瞬触ったのだ。
マンタはびっくりして体をそらし、あわてて泳ぎ去っていった。
私もびっくりし、動転し、そのばか者を浮上させるまいと足をつかみ、
溺れさせてやろうかと思った。
人間がマンタに少しでも触ると、その体を保護している膜がとれて、
病気に感染しやすくなり、命に関わるケースもあるという。
マンタに限らず、生き物に接するときには、決して邪魔をしてはいけない、
という常識的ルールがある。
このスノーケラーはフランス人であったらしく、非常識も甚だしいが、
スノーケルツアーを催行するほうも、きっちりお客様に説明してほしいものある。
(ダイバーが常識があるのかといえば、そうでもないが)
ああ、びっくりしたね・・・
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